スペイン・イタリア旅行記    川名 香代子

 2009年8月に、妹とスペインからイタリアへのバックパックの旅をしました。私達にとって初めてのサーバスの旅であり、期待と不安を胸にして旅立ちました。

 まず、スペインでは、バルセロナで2泊。ダリオとロベルトのカップルのお宅へステイさせてもらいました。初日の夕飯、ダリオがスペインオムレツを作ってくれたのですが、今まで日本で食べたスペインオムレツと比べ物にならない程美味しく、こういった美味しい家庭料理を食べることができるのは、サーバスの旅ならではの楽しみだと思いました。

 翌日、ロベルトは故郷のフランスへ里帰りしてしまいましたが、ダリオは同じくサーバスホストであるダリオの兄のラウアと、彼の奥さんのライアと、夜のバルセロナを案内してくれました。まず、地元のレストランへ行き、そこでサングリアを飲みながら色々な話をしました。

 スペインでも日本のアニメは有名で、3人が『あられちゃん』や『ドラえもん』で育ったと言い、スペイン語でテーマ曲を歌いだしたときは、とても驚きました。そして、そこで盛り上がって長居し過ぎてしまい、見る予定だったサグラダ・ファミリアのライトアップが24時を過ぎて消えてしまうというハプニングに見舞われたのですが、今はそれも良い想い出です。その後、3人はバルセロナの夜景が見える山に私達を連れていってくれ、その夜は本当に楽しく過ごしました。

 続いて、スペインからイタリアへは寝台列車で向かい、ローマではファビオと奥さんのシモーナ、娘のアリアナちゃん(1歳)の3人家族のおうちへステイさせてもらいました。とても広い素敵な家にお住まいで、私達も可愛らしいお部屋に泊まることができました。 

 2日目の夜、日本から持参した材料と現地の野菜で、カレーとお好み焼きを作り、シモーナも、ローマの伝統的な料理だというモッツァレラチーズとアンチョビをズッキーニの花に詰めた揚げものを作ってくれ、お互いの国の料理を楽しむことができました。

 帰国後、『インターネットでカレーとお好み焼きの作り方を調べたから今度作る』というメールが来て、日本食を気に入ってもらえて嬉しく思いました。また、一家は日本にとても興味があるとのことで(シモーナは、能や畳の部屋が好きだとのこと)、近年中に行ってみたいと話していたので、今度は東京で会えるといいなと思っています。

 今回の旅では、今まで味わったことのないような楽しみを経験することができました。家庭料理を味わったり、夜の街へ出かけたり、日本食を振舞ったり、どれもサーバスの旅でなければ、なかなかできないことです。バルセロナ、ローマの素敵なホストに出逢えたことが、私達にとって何よりの想い出となりました。今後も、ホストとして、トラベラーとして、世界中の人と出逢えることを楽しみにしています。