ポーランドとスロバキアのXmas    松本 辰雄

 厳寒のポーランドとスロバキアを体験しました。どこもかしこも雪景色で、寒さは半端ではありません。シュチェッチンのホテルを出るとき「今日は温かいですよ。気温は0度ですから」と言われたくらいです。

 夏もお世話になったグダンスク近くの村で、サーバスの奥さんに「クリスマスはどこで、どんな風に過ごすの?」と聞かれ、「ブロツワフのホテルで独りで過ごします」と答えると、「信じられない。ポーランドでは独りでクリスマスを過ごすなんてあり得ない。ブロツワフにもサーバスファミリーはいるんだから、クリスマスディナーに招待してくれるように頼んでみたら?」と言われました。

 日本的発想では自分の方からディナー招待を頼むなんて考えられません。「ホテルの人か他の宿泊客とともにクリスマスを祝いますから。」と答えると、悲しそうな顔をしながらも、それ以上の追求はありませんでした。ポズナンのサーバスホストにも同じことを聞かれ、同様の答えをしました。こちらのホストは納得せず、リストを出してきて2軒のホストに電話をしてくれました。あいにく2軒とも予定があり、断られました。

 「もう一つ可能性がある。ポズナン在住のフィアンセに電話をしてどこかの家庭を紹介してもらう」と簡単には諦めません。フィアンセ自身もサーバスメンバーなのですが、クリスマスは母親とリゾート地に予定があったのです。そしてフィアンセから紹介された家庭に電話をしてくれました。驚いたことに二つ返事でOKです。

 訪問して最初に「見ず知らずの人間をクリスマスディナーに招待してくれるとは思いませんでした」と言うと、「これがポーランドの習慣です」とのことでした。聖なるパンの交換から始まり、イヴの過ごし方の手順を一つずつ教えてもらいました。スウィーツの前後に歌うクリスマスキャロルは残念ながら知っている歌は一つもありませんでした。子供の頃から教会へは通っていたのですが・・・。そして真夜中に一緒に教会へ行こうと誘われましたが、翌日は日帰りで木造教会へ行く予定があったので、その前に帰りました。別れ際、翌日の小旅行のためにと、手作りのクッキーをどっさり袋に入れてくれました。

 スロバキアのガランタでは隣町のチャーチコンサートに連れて行ってもらいました。コンサートの前にホストの友人宅でアフタヌーンティーを楽しみました。テーブルのデコレーションをクリスマス用に戻してくれました。ここでも手作りのクッキーが出されました。

 普通の旅行では出来ない、素晴らしいクリスマス体験ができました。