母子で旅した南欧の思い出     河野 久子

 娘がNYから、私は2日かけマドリッドへ。その後はバックパックでのバス、鉄道の旅。スペインの世界遺産のトレド、スペイン南部のアルハンブラ宮殿を見学。後者はグラナダ近郊のオギハレスのサーバス邸で滞在。ホストは日本と関係のお仕事をしたということで、片言の日本語を話してくれる。ホストの年齢が私と同じくらい、娘同士も同じ年ということで会話が弾み、夜遅くまで話す。

 

 その後、ジブラルタルからモロッコへ。海が荒れそうだということで、前もって酔い止め薬を服用。おかげで私は何とも快適な船のたびだったが、多くの乗船客は真っ青な顔をしていた。

 

 モロッコでは、世界遺産の迷路の街・フェズへ。のち北上し、青の街・シャウエン。あまりの美しさに、話にある桃源郷そ想像してしまった。ここで新年を迎える。更に北上し、スペインの飛び地セウタと国境・フデニックで一泊。この人はスペインのリストに登録されており、モロッコに住み、仕事をスペインのセウタでする非常に珍しい人。

 

 再度、スペイン本土に渡り、セルビア経由でポルトガル南部の州都ファーロへ。その後、リスボンを目指して北上。途中にある海辺の小さな町ミルホンテスでは、海をのんびり眺め、それまでの慌しい時の流れから開放され、ゆったりと過ごす。サーバスホストに勧められたミシュラン3星レストランで、美味しいタコ料理とワインに舌鼓を打つ。

 

 最後は、首都リスボンへ。たまたまサーバスホストの子供が誕生日ということで、パーティに招待され、楽しい一夜を過ごした。

 

 2週間のあっという間の旅を終え、娘はまたNYへ、私はビエンチャンへと2日かけて戻ってきた。3カ国をまたぐ駆け足の旅だったが、一杯喋り・一杯笑い・一杯楽しい喧嘩をし、母子の一生の思い出の旅となった。